Dr.川島のスキンケアコラム

酵素は体内で起こっている様々な化学反応を制御していますが、その酵素の働きを補助するのが補酵素です。例えば、お酒の中のエタノールは一旦有害なアセトアルデヒドに代謝され、そのあとアルデヒド脱水素酵素で無害な酢酸に変化します。このアルデヒド脱水素酵素の働きを助けるのが補酵素NADなのです。お酒だけでなく高血糖、高脂肪食が持続することによっても有害なアルデヒドが産生されますので、この場合もNADが大量に消費されることになります。
NADにはこの補酵素としての働きのほかに、細胞機能維持に必要なアデノシン三リン酸（ATP）という物質を作るクエン酸回路を円滑に回す役割があります。3つ目としては、前回述べた長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子が活性化されてできるサーチュイン酵素の働きを補助する機能もあります。

NADは加齢とともに減ります。糖尿病、高脂肪食、アルコール過剰もNADの消費を進める原因となります。それではNADを補充すればよいとなりますが、これまでにNADを効率よく増やす手段は見つかっていませんでした。それを解決する方法がありそうです。次回、お話しします。