2018/01/30
たるみはシワと異なり、皮膚の真皮の変化ではなく、より深層の皮下脂肪組織から筋肉にかけての変化であることは以前に述べました。真皮までしか届かない紫外線では、たるみは説明しきれないわけで、筋肉まで届く近赤外線が問題と考えています。
そして皮下脂肪組織の中には、分け入るように線維構造が張り巡らされていることが知られていますが、この線維は真皮と筋肉とをつなぐ役割も持っていますので、たるみの多い皮膚ほど、この線維が減少しているということになります。真皮と筋肉をつないで重力で皮膚が下がらないようにしていたのが、支えきれなくなってたるむのです。
現在のところ、この線維構造を注入などで補う方法はありません。一部のたるみ改善の治療器では、皮下脂肪組織に熱エネルギーを与えることにより軽いやけどを起こし、その状態が回復するときに線維構造が再生され、たるみ改善につながるというものがあります。
今後、たるみ予防を期待できる近赤外線防御効果のあるサンスクリーン剤の登場が期待されるところです。
東京女子医科大学 名誉教授
東京薬科大学 客員教授
一般社団法人ウェルエイジング 総院長
特定非営利活動法人皮膚の健康研究機構 副理事長
ノエル銀座クリニック院長保志名勝は、日本美容外科学会理事長を歴任した立場から、美容医療業界全体の信頼性を高めることに努めております。
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