Dr.川島のスキンケアコラム

感染から体を守る仕組みとして、前回は自然免疫のお話をしました。我々に備わっているもう一つの免疫システムに、獲得免疫があります。

獲得免疫には体内に侵入してきた病原体が感染している細胞を見つけ出して細胞ごと殺してしまうキラーT細胞と、病原体を認識して抗体というたんぱくを作って無毒化するB細胞が働いています。病原体を場合によっては一生涯記憶してくれる免疫であり、自然免疫に比べ強い力を発揮してくれます。

例えば、はしかに一度かかると一生涯獲得免疫が持続して、二度と罹らないのが通常です。ところが、インフルエンザウイルスの場合は、ウイルスの形が変化してしまうために、一度獲得した免疫ではこの変化したウイルスを認識できない、ということが起こります。そのためにインフルエンザでは毎年ワクチンを打つ必要性があるのです。

おそらく新型コロナウイルスも一度のワクチン注射で一生涯大丈夫ということにはならないと思われます。厄介なウイルスが誕生してしまったものです…。これからもマスク、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンス、そして自然免疫を維持する生活習慣が重要になるでしょう。