Dr.川島のスキンケアコラム

コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などは真皮に存在して、肌の形状を保つために重要な物質で、細胞外マトリックス（ECM）と呼ばれることは前回お話ししました。

年齢とともに線維芽細胞が産生するECMが減少して生じる、ハリの低下、シワに対して最近新しい治療法が行われるようになってきました。
それがECMリモデリング治療です。

リモデリングとは再構築のことですが、線維芽細胞の機能を再活性化してECM産生を増加させ、ハリ、シワを改善しようとする試みです。本来備わっている線維芽細胞からのECM産生能力を再生させて、真皮の構築を若返らせるというものです。線維芽細胞がECMを作り出す材料となるアミノ酸やペプチド、さらには土台作りのためのヒアルロン酸などを最適な比率で混合した製剤を注射することにより、ECM産生を促します。

2～3週間おきに3、4回繰り返すことにより、1～2か月後から改善効果が得られることが多いようです。どれくらい繰り返すのが良いか、どれくらいの期間、効果が持続するか、など検討すべき点も残されていますが、自然治癒力を利用した魅力ある治療法です。