Dr.川島のスキンケアコラム

美肌ホルモンとも言われるエストロゲンは思春期から増加し、30代をピークに減少し始め更年期以降は急速に減少していきます。エストロゲンが減少すると肌はもちろん体も心も不調に陥ることは前回お話ししました。それでは減少したエストロゲンを補えばすべて解決するのではという考えも生まれます。

ホルモン補充療法という治療があり、エストロゲンを主体にプロゲステロンも時に加えて飲み薬、貼り薬、塗り薬などで使用されています。主たる治療目的は、精神症状、睡眠障害、のぼせ、食欲不振、めまい、倦怠感、腹痛、腰痛、むくみ、お腹や乳房の張りなどの改善です。

肌にも効くのでは？と思われるでしょうが、確かにコラーゲンが増えた、皮膚が厚くなった、などの研究報告があります。しかし、全ての研究で皮膚での効果が確認されたわけではありません。従って、現時点での治療ガイドラインでは、肌の改善だけを目的としたホルモン補充療法は推奨されていません。ただし、皮膚以外の症状に対して長期間治療を続けた人では肌の改善を実感されている人も多いようです。

これまでの肌改善の研究は半年から1年という短い治療期間のものばかりですので、もっと長い期間、治療を続けた結果を知りたいものです。